vol,74 vol,143 vol,197 とご紹介してきました
書道作家でありイラストレーターでもある朱音聖子(あかねしょうこ)さんの
製作風景&個展のレポートです。



今回は当店の駐車場での製作風景。

どちらかと言うと、
「見たものを描く」というより
「感じたものを描く」スタイルなので、
集中の邪魔にならないよう1〜2分くらい撮って引っ込みます。

こんなこと言ったら叱られそうですが、描いている彼女は学生時代のままです。

集中しているようで、していないようで、
テキトーなようで、緻密なようで、
たぶん次々に湧き上がってくる感情を取捨選択しつつ、
一筆一筆進めていく方向性について葛藤しているんだと思いますが、
その葛藤具合がハンパないです。

途中雨に降られて滲んだようですが、それもアリだそうです。

画像の日付けを見て頂くと分かりますが上の方から順に、
11月20日(水)、11月27日(水)、12月11日(水)の3日間に渡って行われました。

寒いし、雨降るし、過酷やったわー、ご苦労さん。

で、個展の日。

訪れたこの日(2013年12月28日)は、
僕にとってなかなかの過密スケジュールでした。

通常の営業をし、

16:00 少し早めに店を終え名古屋へ出発
17:30 名古屋インター近くの仕入れ問屋で用事を済ませ
18:10 栄にある展示会場 ART SPEACE A-ONE へ (閉館ぎりぎり)
19:00 北区にある実家へ用事を済ませ
21:00 中津川へ帰宅
22:00 消防団・年末夜警へ参加

中津川〜名古屋間は車で(中央道で)1時間程の距離ですが、
年々行く回数が減り、一度行くと決めたらいろんな用事を詰め込むので、
こんな風になりがちです。

僕にとって名古屋は生まれ育った街なので、もう少しゆっくりしたいのですが、
ここ数年、ただ用事を済ますために立ち寄る程度。

たまに思うのですが、財布に小銭を入れて、
一人でぶらぶら歩きながら古本屋とか中古レコード屋を巡って、
腹が減ったらジャズ喫茶でカレーライスを食べて、妙に煮詰まったコーヒーを飲んで、
ぶらぶら歩いて公園のベンチでさっき買ったレコードを取り出し、しげしげと眺めて悦に入り、
突然旧友らへ電話をし、今夜一緒に呑まないかと誘い出し、深夜まであーだこーだ言い、
酔いのせいで妙に感傷的になり「あの頃は良かったなあ」などと言い、
会計を済ませ、旧友らと別れ、店を出てしばらく歩き出してから、
レコードと本をさっきの店に忘れたことに気付き、
あわてて取りに戻る、

みたいな生活を送ってみたいと思います。

なんてことのない、かつての日常ですが、
今にして思うと、とんでもなく自由で、惚れ惚れするくらい気ままな内容です。

特に難しいことではないはずなのに、ここ十数年できてませんし、
仮に実行するにしてもそれなりの準備を必要とするくらい、
非現実的な事かも知れません。

ちなみに”旧友ら”と書きましたがこの中に朱音聖子も含まれ、
今回、数日間にわたって彼女を撮影し、作業の合間にあーだこーだ話すうちに、
ふと、そのようなことを思い出しました。

単純に「あの頃は良かった」と昔を美化するつもりは全くありませんが、
ここ十数年で手に入れたものと、失ったものが確実にあり、
その差し引きで今の自分があるんだなと思いました。

感動しました。

現在、静岡県浜松市にて上記を開催中。
機会がありましたら是非訪れてみて下さい。

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Cafe Adrenaline / 水野雄一