ROCKな告別式
「さよなら」よりも「ありがとう」な追悼ライブ の巻
相変わらず野暮用が舞い込んでくるので、
コンスタントに更新できず申し訳ありません。
&、多数の方からMPS(額装)のご注文を頂いておりますが、
なかなか取り掛かれず申し訳ありません。
よく考えれば先延ばしにできる案件も多いのですが、
どういう訳か「今やっておくべき」、という判断に至ることが多く、結果、
やっておくべき事だらけになってしまい、いま混沌としています。(汗)
さて、今号も蔵出し企画です、4月15日 (日)に行われました、
先生こと、中津川のライブハウス「ブレス」のオーナーであった渡辺氏の追悼ライブ、
「先生ありがとう MEMORIAL GIG」、のレポートです。
※もともと接骨院をされていた経歴があるため「先生」と呼ばれていたそうです。
201号でもお伝えしましたが、亡くなられたのは今年の1月でその後しばらく、 ブレスで行われるライブの多くに追悼的なサブタイトルが添えられていましたが、 この日は正式な追悼ライブとして企画され、ある意味「告別式」のような感じでした。
日曜日ということで昼からスタート。 僕自身は、日曜の昼は身動きが取れないので、店を閉店してから駆けつけ、 18:50頃にブレス入り。
さすがに人、人、人、でごった返し、なかなか最前列へは行けず、 しばし後ろの方で(この日は運転してきたので)コーラを飲みつつ観戦。
ただ、日曜の営業(=長時間立ち仕事)を終え、 即→ライブ会場(=立ちっぱなし)は正直しんどいので、 こんな風に一息つけると助かります・・・
ですが、5分もしないうちに、あの、なんともいえない熱狂に呑みこまれ、 自分の中のスイッチが切り替わり、聴衆の輪のなかへ自然と溶け込んでいきます。
すでにこの時点で10バンド目の「BRASH」が演奏中。
演奏はロックで、ボーカルはツインでラップ、すごい盛り上がりでした。
サービス精神旺盛で、音楽センスいいし、そりゃもう大人気。
なんとか最前列に辿り着いたものの、そこで身動きがとれなくなり、
まるで満員電車の中で撮影しているようでした。汗
バンドとバンドの間をつなぐかたちで、ソロの弾き語りなど、
地元のアマチュアミュージシャンらが出演。
こんな風に爆音のあとのアコギでソロは鼓膜機能が回復します。
ナガヤジュンジ〜癒されました。
でた!シャウト!
1996年のブレス開業と同時期に結成されたシャウト。
その間、一度もメンバーチェンジせず、ひたすら古き良きロックンロールを続け、現在に至る。
もちろんいろいろあったと思うけど、継続しつづけるのも一つの才能だと思います。
この先、10年後、20年後と、僕らと一緒に歳をとっていきましょう。(苦笑)
でた!スペシャルゲスト、当HP管理人でもある寺西氏、参上!
ブレスのオーナーの追悼ライブとくれば、
この人がステージに上がらない訳にはいきません。
けど僕は全く聞かされていなかったのでちょっとビックリでした。
滅多にマイクを握りませんが、いったん握ってしまえば全力で唄われますし、
とりたてて流暢というわけでは無いのですが、正直な気持ちを丁寧に語る姿は、
心打たれます。とくに今回のような場面においてはマジで涙腺がゆるみました。
しかしこうやって見るとシャウトと同化してますね〜違和感なし!(苦笑)
以前にも紹介したことのある、ヘビメタバンドのステルストリガー。
前にも書いたかも知れませんが、僕自身、好んでヘビメタを聴くほうではありませんが、
このステルストリガーの演奏力の高さと、パフォーマンスの素晴らしさ・面白さには、
ついつい引き付けられるものがあります。
音楽ジャンルうんぬんの前に、やっぱ内容なんだな、人なんだなと思います。
ボーカルが切々と歌い上げたのち、
最終的にギターの人は全裸になり・・・場内騒然。(苦笑)
どちらかと言えば転換中の演奏はお客さんもリラックスしているので、
意表を突くという意味では効果絶大。おそるべしシンタロウ。
ますます身動きがとれなくなった状態で、ザ・ビートアクションズの登場。
ボーカルの成田氏は、中津川で有名な「五万石」の店主であられます。
MBのW124乗りで、しかもAMGときた。イカス!
うーむ、どーしてもベースの方が撮れませんでした。次回必ず!
この人がステージに立つとがらっと空気が変わります。
というか観客からのヤジや突っ込みの量が半端なく多い=
それだけ愛されキャラということだと思います。
抱えているギターはその昔、
先生から内装工事を頼まれ、施工したものの、
その支払いに困窮した先生が彼に「これでチャラにしてくれ」、
と差し出したモノらしい。
まあ普通ならありえない話だが、それで成立してしまうところに、
当時のブレスをとりまく人間模様が伺えます。
えー話や!伊藤竜太、最高!
数年前に活動休止をして以来の再結成というタイガービーム。
僕としては初見でしたが、かなり気に入りました。
本来はツインボーカルらしいのですが、どこか力の抜けた、
しかし安定感のあるリズムは心地良かったです。
まだこの後に何バンドが出演したのですが、
さすがに疲労困憊&腰に痛みがきたのでタイガービーム終了後、無念の退散。
それにしても、
16年前にJR中津川駅前の雑居ビルの一角で、
呑み屋からスタートし、音楽好きな客が集まるようになり、
自然とライブセッションがはじまり、
ドカドカやってたら近所から苦情がきて、
それでも止めたくなかった客とオーナーの気持ちが一致し、
現在の場所(商店街の中の雑居ビル2F)に移転。
それでも防音設備は完全じゃないから音は漏れるけど、
理解ある商店街の店主らのおかげもあって現在に至る、
・・・というストーリーは、なんとなくアドレナリンとかぶるフシがある。
「音楽好き」を「クルマ好き」に置き換え、
「ライブセッション」を「エキゾースト」に置き換えれば、
内容的には大差無いと思う。
他人事とは思えない。
なので、オーナーが他界した後のお客さんの様子や、
運営面での引き継ぎに関しては、僕なりの視点で(断片的にだけど)
見させて頂いた。
素晴らしいお客さんに恵まれ、
素晴らしいモノを残した渡辺氏の人生はハッピーエンドだったと思う。
そして心より、今後のブレスのハッピーがエンドレスであることを願う。
「さよなら」よりも「ありがとう」、と思いました。
Cafe Adrenaline / 水野雄一
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