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web Cafe Adrenaline vol.179
2011-7-06 (水) update
since 2000


赤い堕天使

けど、その後の運命は変えられる、たとえそれがクルマであっても の巻

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’90年代中頃にクルマ雑誌を読み漁っておられた方なら見覚えがあろうかと思う、
このような広告を↓    

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そう、今は無きプレステージ社の広告。

当時けっこうな紙面を割いて売り込みをかけたにも関わらず、
最終的にプレステージ社が輸入したのはわずか3台・・・
このなんとも言えない哀愁と倦怠感ただよう、
ジネッタ史上最大の不良債権(失礼!言い過ぎ)、G27が来てくれました。



そもそも’60年代に大ヒットしたG4を現代風にリメイクするかたちで誕生したのですが、
なぜかその同時期にオリジナル・G4の完全リメイク(再生産)も行っており、
普通で考えられない戦略です。

なぜこんな事態に至ったのか。
それは上の広告にも記されておりますが、
G27は英国ジネッタ社、G4とG12は英国DARE社、とあります。
つまり、この2社は全くの別会社。

ちなみに”大筋で本家”が英国ジネッタ社になります。
1957年にイギリスのクルマ好きのウォークレット四兄弟、
ダグラス、トレバー、ボブ、アイバーによって設立されます。

しかし’80年代後半ごろ、
とある日本人(A氏)がすでに生産を終えていたG4とG12について
再生産をしてみないか?ともちかけます。

しかし英国ジネッタ社はその話に興味を示さずノー。
それでもA氏は何度もアタックし、最終的に英国ジネッタ社が根負けするかたちで
G4とG12の生産ライセンスをA氏に売却することで決着します。

しかし、どのような経緯があったか分かりませんが
ウォークレット四兄弟のトレバー氏とアイバー氏が
G4/G12の再生産に協力するという意向を示し、
その際に新しく設立されたのが英国DARE社ということになります。
※これだと本家とは言えないのですが、かなり本家のDNAが入っています。

このときの英国ジネッタ社といえば
スポーツカーと呼べるモデルは生産しておらず
普通の乗用車を細々と作っており、経営状況もあまり良くなかったと聞きます。
まあ、過去の栄光ともいえるG4・G12の権利を手放さなければならないほど
経営に行き詰っていたのかも知れません。(その後’90年代初頭に倒産)

そして、A氏は英国DARE社と共にG4とG12の生産・販売をはじめます。
このことが地元イギリスでも話題になります。「日本人が英国の魂を救った」、と。
たしかに夢のような話です。

また、バブル崩壊後とはいえ、まだまだ浮かれていた日本のメディアにも取り上げられ、
オーダーが殺到。最終的にはオリジナルをはるかに超える生産量を記録します。

※ただしこの話には多くのスッキリしない部分が含まれており、
既にそのへんの詳細は多くのクルマ好きの方がご存知かと思うので、
あえてここでは触れずにおきます。




いっぽう、倒産したはずの本家・英国ジネッタ社ですが、
これら一連の動きを見て火がついたのでしょう。
程なくして再び会社を立ち上げ、前途したようなかたちでG27をリリース。

しかし、結果的に英国DARE社のG4(再生産)の方がダントツに売れたわけで、
「じゃあ、いったいG27は何だったのか?」という疑問が残りました。
まさしく上の広告がそれを物語っていると思いますが、
この当時の両ジネッタ社の混迷ぶりが伺えます。

ちょうど’90年代中頃
創業間もないアドレナリンがそのオンタイムだったこともあり、
夜な夜な常連客らとそのへんの事についてあーだこーだ語った覚えがあります。



で、今回。
僕は初めて実車を見たのですが、
いかにもジネッタらしいカッコ良さと、カッコ悪さが同居していました。
少なくともこの個体に限って言えばかなり好印象でした。
(でなければこんなに撮ったりしません)

良い意味で、「余分な油の抜けた感じ・・・」とでも申しましょうか。
たぶんこの個体がピカピカに磨き上げられていたとしたら
また印象が違っていたかも知れませんが、何といってもこのヤレ具合が最高です。
程よく退色した赤に、経年変化によるFRPボディならではのチップ&クラック、
乱雑ではないにしろ、普通に使っていれば付いてしまうであろう傷と汚れ。

あと画像にありますが、思わず笑ってしまう「オール手動式のリトラクタブルライト」。
つまり運転しながらの操作はできません!させません!というスグレモノ。

そして極めつけが
右側面からの画像で確認できると思いますが、
リアのホイルアーチの前あたりに装着された燃料フィルター(白っぽい四角のやつ)。
思いっきり外部に露出しちゃってますけど、エーのんか!

もうね、せっかく往年の大スター/G4の現代版を世に出すなら、
もっとちゃんとしたカタチで出して欲しかったなあ、と思うのですが、
ただ、このクルマを単体でよーく見ていると、ふつふつと湧き上がってくるんですよ。
G4はG4、G27はG27だなって。

クルマを作るのは人間だけど、人間を作るのは時代だから、
時代が違えば価値観も違うし、ものの優先順位も変わってくる。
だから違って当然だし、違えば評価も分かれる。

一概にどっちが良いと悪いとか言えないけど、
クルマも人間も、その時々の事情をがっつり背負わされて生まれてくる。
しかし、出生がどうであれ肝心なのはその後どう生きたか?という事だと思う。

そういった意味でこのクルマは幸せだろうなって思う。
お世辞にも上の広告のG27はカッコ良いとは言えないし、とても同じクルマだとは思えない。
しかし今回、オーナーのShibata氏にこの広告を見てもらったら、
「・・・たぶん同じクルマ」、と苦笑い。
しかも、「この超かっこ悪いホイル、家にありますし・・・」とのこと。

うーむ、やっぱり、そういった意味でこのクルマは幸せだろうなって思う。




Cafe Adrenaline / 水野雄一



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