web Cafe Adrenaline
vol.171 2011-4-28
(木) update since 2000
Vivid Colors
2011年・春 活力にあふれた生き生きした色あいのクルマたち の巻
たぶん2年くらい前だと思うのですが、
Ukai氏のポルシェ・ケイマンを撮影/額装させて頂きました。
そして今回964スピードスター納車とのことで再びご依頼を頂きました。感謝。
てっきり乗り換えかと思ったら増車とのことで、
素晴らしい!の一言に尽きます。
「そんなん、ケイマンと964スピードスターを同時所有するくらいなら、
最初からボクスター一台にすればいいじゃん!」、みたいな折衷案は、
僕らのような人種にとっては全くもって愚問。
自分の好きなジャンルにおいては、多少キャラが被ろうが気にしないし、
むしろ被ること=コレクションの層が増し、それによる安心感/満足感は、
「これでまた一つ階段を昇れたな」、というワケのわからない達成感をもたらし、
マイワールドの構築に一役も二役も買う。
こうした積み重ねが、軸足である実生活においてなんらかの精神心的ダメージを受けた際、
心のセーフティネットとして機能し、心の傷をすみやかに修復させるのである。
なにかと我慢をしいられる実生活において
キッチリと社会的役割を果たし、それとは別に、
自分の好きなジャンルのマイワールドの構築を怠らない、という両立こそが、
人生にメリハリをつけ、楽しく、ビビッドな生活を送ることが出来ると思う。
これはクルマ趣味を愛好する者にとって周知の事実。
もしくは、なかなか理解を得られない配偶者に対し、
有事の際に用いる”反撃のセリフ”のはずだが、国防省のまとめによると、
「これまでに目立った効果は得られず、実戦の際このセリフを用いたことで被害が拡大した」、
との報告も寄せられており、「必ずしも我々の正論が世間で通用するとは言えない」、
との消極的な見方が強まってきている。
これに対し、SDK(趣味クルマ独立機構)は
本部のある岐阜県中津川市において会見を行い、
「いつの世も人の数だけ正論は飛び交うものであり、
仮に議論を重ねたとしても永遠に分かりあえない事柄もこの世には存在する」、
と述べた上で、
「ここ最近、趣味クルマを楽しむ環境は厳しくなるばかりだが、
そんな時こそ我々のような人種がマナーを尊重・重視し、
少しでも人々の目が偏見から理解に変わるような立ち振る舞いをすべき」、
との見解を示した。
頑張れ同胞!
※本文に登場する省庁名/機関名に関してはフィクションであり実在しませんが、
心のどこかで実在して欲しいと思うのは僕だけか。(汗)
vol.50でもご紹介した安立氏のエスプリ。
あれ?リアガラスってルーバーに換えたの?と聞くと、
「うん、高速道路を走ってたら突然もげた・・・
前方に国産セダンが走ってたからスリップストリームに入った瞬間、
後ろでバリっと音がしたんでバックミラーを見るとリアガラスの中央部が隆起して、
剥がれるようにして後方へ飛んでいった」
えー!で、どうしたの?と聞くと、
「飴細工みたいになって後方路面へ散乱・・・」
で?
「JHの管理事務所へ行って事情を説明したら拾ってきましょうか?って言ってくれたけど
既に粉々になってるから申し訳ないけどそちらで処分して下さいって言ってきた。」
後続車は?
「幸い居なかった。」
いやはや大事故にならなくて良かったですよ、ホント。
それにしても昔のロータス車らしいエピソードでした。
ざっくりとした言い方をすれば、
'90年代以前の趣味性の高いクルマを所有されてみえる方は、
それらの車をリアルタイムで経験されている場合が多い。
ぶっちゃけこのご時世に、
手間と経費と忍耐力を必要とするクルマを趣味として所有し続けるには、
子供の頃に受けた強烈な刷り込み・洗脳・トラウマなくしては成立しないだろう。
僕もそのクチなのでよくわかる。
ちょうど今回の964スピードスターと、エスプリを撮影している時、
上記のインテグラ、レガシー、アルテッツア、でお越しの
比較的お若い男性客3名様が帰られるところだった。
明らかにこの青と赤のクルマに興味津々という感じだった。
そりゃそうだと思う。
たとえクルマに興味がなくても、僕がカメラを構えて
あーだこーだ指示を出してシャッター音が鳴り響く光景は「ナニゴト?」と思うはず。
それがクルマ好きならはタダゴトではないと思う。
せっかくなので彼らにも「撮るよー!」と声を掛けると、
嬉しそうに、また恥ずかしそうに笑顔で承諾してくれた。
ひょっとして彼らが10年後20年後、
Kジェトロのポルシェやフェラーリに乗って来てくれるかも知れない。
そう思うとこのシーンは素晴らしいトラウマになると踏んだ。
いでよ、若人!
この素晴らしく愚かなマイワールドの構築へ!
Cafe Adrenaline / 水野雄一
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