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web Cafe Adrenaline vol.143
2010-8-23 (月) update
since 2000

音聖子・個展
もう一ヶ月前の話ですが・・・Showko Akane / EXBITION に行ってきました   の巻



同級生/朱音聖子・初の個展ということで、
僕が所有するこの作品も展示されるとの事で、いったん壁から外します。

先月(7月23日)、店を早めに切り上げ、猛暑の中
中央道〜名神高速と乗り継ぎ、会場である稲沢市荻須記念美術館へ。


閉館ギリギリということもあり、
落ち着いて観ることは出来ませんでしたが、
その代わり
(と言ってはなんですが)
長年の友人ということで(無理矢理)撮影許可をもらい
少しだけカメラに収めてきました。

※本来このような場所での撮影はご法度。
あらためて感謝します



























作者に対して、
なんとお詫びをしたらいいのか戸惑うくらい・・・強烈な日焼けをした我が軸。(汗/)

まあ、店に飾る時点である程度覚悟はしていたのですが、
こうやって他の作品と見比べてみるとその違いは一目瞭然。(唖然、呆然・・・)

なんつーか、必要以上に時の流れを感じるし、
何も知らない人に、これは江戸時代中期の作品です、
なーんて言ったら通用しそうなくらい、戦火をくぐり抜けてきた感じがします↓







かつて、この軸を買わせて頂いたときに
「これには特別な思い入れがあるから」、と言われました。

そのとき僕は、「へーそうなんだ」、と言いつつも、
内心、そりゃそうだろう、どんな作品でもそれなりの思い入れはあるだろうし、
まあそれは買ってくれた人に対しての社交辞令みたいなもの、
くらいに思っていたのですが、どうやらそうではなく、
あの言葉は本心だったのかと今回思いました。

というのも、
こうやって彼女の歴代作品を拝見させてもらうと
この「ありがたや」という作品を描いた時期を境に、
だんだんと作風が変化していったのが見て取れました。

元々、あとから修正のできない一発勝負的な手法をもちいる作家ですが、
この「ありがたや」くらいまでは、あらゆる感情をコントロールし、
少しでも意図せぬ方向に筆が進めばその場で破棄され、
一枚を描き終える頃には憔悴しきってしまう、
そんな創作活動だったようです。




しかし、そればかりだと疲れてしまいます。
同時に、いろんな意味で慣れてきますので徐々に気持ちにゆとりが出来てきます。

やがて彼女は、いままで頑なに拒んできた
偶発的なアクシデントも楽しめるようになったと言います。

筆先からポタリと落ちた予想外の点にも必然性を感じ、
それを自分のものとして受け入れる。

想定外のことに出くわした時、
自分の思うようにならないと感じ、敵対し、苛立つか、それとも
これも何かのご縁だからと思い、手なずけ、味方にしてしまうか。




以降、最近の彼女の作風の特徴とも言える
墨や絵の具が細かく飛び散る「しぶき」が多く見られるようになります。

またモチーフも観音様だけでなく、
抽象的でスピリチュアルなものまで手掛けるようになります。

客観的にみれば、それは「幅が広がった」という見方になるかも知れませんが、
僕が思うに、「もともと彼女が持っていた感性に磨きがかかり、それが輝きはじめた」、
という解釈をしています。

とくに抽象画というのは、
多くの人、もしくはいろんな意味で権力をもった人から評価されれば芸術ですし、
それでなければ落書き同然で、そこに明確な線引きはありません。

厄介といえば厄介ですし、雲をつかむような話なんだけど、
その雲をつかんでみたいと考える人にとってはもってこいのスタイルだと思います。








作家であれ、何であれ、世の中に認められ、
自分の居場所(生き方)を見つけるのは並大抵ではありませんし、
そこに居続けるにはその何倍ものエネルギーを必要とします。

もちろん”運”も絡んできますが、
なにより自分の人生を大切に、丁寧に、誠実に生きている者が
掴むことができる幸せだと思います。









最後に、今後どんな風に活動していくのかを聞いてみました。

すると、

「実際できるかどうか分らないけど
ニューヨークを拠点にして描いてみたい」、との事。

たぶん20年くらい前にその言葉を聞いたら、
「なに夢物語みたいなこと言ってんだよ」、と半分冗談で毒づいたと思うのですが、
さすがにこの時ばかりは、「そ、そーなんや、頑張ってね/汗」、と言うしかありませんでした。

実際、ニューヨークで活躍できる/できないは分らないけど、
そんな風に僕に夢を語ってくれたこと自体が嬉しかったし、
自分で自分にプレッシャーをかける人の姿は、
清々しいので好感が持てます。




Cafe Adrenaline / 水野雄一



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