web Cafe Adrenaline vol . 35

2005 10-21 update since 2000

結果オーライ

皆様のおかげで、カフェ・アドレナリン.は、今月(2005年10月20日)で9周年を迎えました。

やはり客観的にみても、9年という歳月は長いと感じるわけで、
開業当初、”この先アドレナリンはどんな風になるんだろう”、といった、
すべてが手探りで、漠然とした不安は、
1年、2年、3年・・・と営業を重ねるほどに小さくなっていき、

今は、詰め将棋をしているような感覚。

この歳になると、
ある程度、いろんな意味で悲しいかな、自分の力量をわかってしまうので、
いくら将来的には、こうしたい！という夢を抱いたとしても、
それが、突拍子もない野望であったりすることはない。

尾崎豊の唄のように、おさえきれない衝動にかられることもなく、
校舎の窓ガラスを割りたいといった欲求に見舞われることもない。

ただこれまで積み上げてきたものをベースに、
淡々と、
僕らしく、
そして、多くのお客さんから、
「ほお、そーきたか」と、ひざを叩いて喜んで頂けるような店作りをするため、
一手、また一手とコマを進めていく。それが今のアドレナリン。

とは言え、こうしたい！という夢そのものが面白くなければ、まったく意味が無いわけで、
これは僕にのしかかる大きなプレッシャーであり、アドレナリンの生命線だと思っているから手が抜けない。

その判断を誤った時、アドレナリンはダメになるだろう、と思っている。


当然、お客さんからのチェックも厳しいはず。




そんな風に感じている丸9年。



















上の画像は、2006年版/ポストカード。

10周年記念のロゴがポイントですな。

毎年この時期には撮影を完了し、だいたい11月下旬〜12月にかけて印刷屋から仕上がってきます。

お楽しみに。

今回も、営業中、お客さんが途切れたタイミングを見計らい、
今だ！ってな感じの、ゲリラ的撮影だったので、
撮影のすぐ横をスタッフの早苗ちゃんが行ったり来たり・・・。

つーか逆に、僕が彼女の仕事の邪魔をしないように、遠慮気味にカメラの三脚を広げ、
あれこれ構図を考え、よーし今回は紅茶を使ってみよう、と思い、
自分で紅茶を淹れ、蒸らしの間に、
レコード棚から、紅茶のイメージに合うジャケットを猛スピードで探し、

で選んだのが、この’50年代後半に録音された、アン・フィリップスというマイナーなLP。
内容は、幽霊でも出そうなくらい恐ろしくダーク調。
よって、これまで店のBGMとして流したことは一度も無い。

あくまで僕個人として聴くレコード。

基本的に、ジャズはリラックスするための音楽と解釈しているが、
30枚に1枚くらいは、このような聴き手に対し、挑戦的で、疑問を投げつけてくるようなアルバムを買っている。

別に明確な答えが出るわけではないが、酒でも飲みながら、じっくり聴きながら、僕なりに考えてみる。

なーんでこんな暗い、寂しいレコ―ドを作ったのだろう？

なんせタイトルの、Born to be blue、だって直訳すれば、”生まれながらにしてブルー”、だもんな。

そんなん売れるわけないし、案の定、売れなかったらしいし。

でも僕は買ってしまった。

なんでだ？



と、この世の全てのモノに、生まれた意味があると思っているので、
妙なモノに出会うたびに、いつも考えてしまうし、何よりそうやって推理していくのが楽しい。














うわ、しまった！

撮影の準備に集中していたら、うっかり紅茶のことを忘れとった！

10分くらい経ったか？うげー、なーんか濃い紅茶というより、薄いコーヒーみたいだな・・・と思いつつ、
時間が無いので、そのまま撮影を続行。

対策として、紅茶のカップの上に、強い照明を当て、
なんとしても、”紅茶らしい澄んだブラウン”、を演出したかったのだが・・・・結果はご覧のとおり。



そこへお客さんがみえ、あえなく撮影は終了。






ある意味、そんなあきれた紅茶と、アン・フィリップスのやるせない表情がミスマッチ・・・。




















それではまた！



カフェ・アドレナリン./水野雄一