web Cafe Adrenaline vol . 26
2003-12-05 update since 2000
〜年末年始の営業について〜
水曜日(定休日)以外は営業します。
営業時間も変更なしのam9:00〜pm9:00です。
ってことは大晦日のみ休みで、元旦からビシバシ営業するということです。
ってことは多くのお客さまにビシバシ来て頂かなくてはなりません!
ビシバシお願いします!
thisへの質問
thisとは、もう足掛け3年のお付き合いになるけど、
よく考えてみたら、彼等とじっくり話したことが無いことに気付いた。(笑)
でも、まあ、当店の周年記念ライブの時にしかお会いできないので無理もない話だ。
毎回ライブ当日は、私もカミさんも、午前中から(正確には数日前から)食事の準備やら、
会場の設営やら、ベック(店に置いてあるクルマ)を外へ移動させたり、
とにかく「この日のためだけに用意する」ことがやたら多く、
せっかくthisのお二人が到着しても、(残念ながら)ゆっくりお話するチャンスは無い。
当のthisだって、到着すればクルマから器材を降ろして、すぐにセッティング→
サウンドチェック→リハーサル、とやること目白押しなので、われわれと世間話なんかしている暇は無い。
本当に挨拶程度の軽い言葉が飛び交うだけで、あとは黙々と各自の仕事をこなしていく。
余談だが、このリハーサルこそが実は、我々にとってのメインディッシュである!
もちろん本番の演奏も言わずものがな素晴らしいが、
主催者である以上、演奏中は、イコール、営業中なので気が抜けない。
よって、心底お客さんと一緒に演奏に酔いしれる、なんてことはありえない。
そして、毎回thisのライブは長丁場ときている。
よって、演奏中にドリンクの追加注文なんかも当たり前のように入る。
あっちにビール、こっちにワインと、ぼやぼやしてると、
せっかくの極上エンターテイメントに水を差しかねない。
となると、お客さんがみえる前のリハーサルこそが
唯一思う存分、酔いしれることが出来る時間となる。
(とはいえ、テーブルを動かしたり、イスを運んだり、料理を盛り付けたりしながらだけどね・・。苦笑)
アドリブが主体となるミュージシャンのリハーサルは、なかなか面白い。
いきなり、どっかで聴いたことあるメロディだな〜って思ったら、
なんのことはない「千と千尋の神隠し」だったりする。
それも情感たっぷりに、大音量でやる。
楽器ができる人ってスゴイ!羨ましい!と思う瞬間ですな。
先日彼らに、聞いてみたかった質問をメールで送り、早速お返事を頂いたので、ここで紹介したい。
もちろん了解はとってあるので遠慮無く読んで頂きたい。これで、なんとなくthisというユニットに対し、親近感と理解が深まるのでは?
Q1:月並みですが「this」の由来を教えてください。
A1:僕らのスタイルが即興演奏ということもあり、
その瞬間に出来上がるモノ、その瞬間の想像力を信じる、出来上がったそのもの”this”
・・・・こんなもの出ました!です。
Q2:これまでの音楽活動で最も強く影響を受けたミュージシャンは?
そして、その理由は?(お二人ともにお願いします。)
A2:saikou(vi)・・ジョン・ケージという作曲家です。
音楽というよりモノの見方、音の在り方が変わりました。
たとえば2:30秒という曲を取り上げると、
この曲は2:30秒ピアニストがピアノの前に座り何も弾きません。
でも聴衆は音楽を聞く耳でその無音を受け止めます。
すると演奏の行われていないその空間に新たな音の発見ができる。
音とは自分の受け入れ方で、音楽にもなれば、雑音にも、
心安らぐ音(せみの音,川のせせらぎ)なるという事を改めて教えてくれました。
misa(p)・・・宮嶋哉行。近所にすごい人が住んでました。びっくりしました。
彼のLIVEを初めて見た時のことは忘れません。
なんか、ぐっとくるものがありました。音楽はジャンルじゃない!強くそう感じました。
そんな人と一緒に音を出せることができてうれしい。うれしい。
Q3:何かとお忙しいとは思いますが、
休日の過ごし方は?(お二人ともにお願いします。)
A3:saikou(vi)・・ぼーっと 何もしません。
misa(p)・・友達と会います。
Q4:好きな食べ物とその理由。(お二人ともにお願いします。)
A4:saikou(vi)・・おやつ全般 甘いもの好きです。理由なんですがまだわかりません。
misa(p)・・お好み焼き、ずっと知らなくて、
小学生の時に親戚のおばちゃんとこで食べさせてもらって感激。
Q5:嫌いな食べ物とその理由。(お二人ともにお願いします。)
A5:saikou(vi)・・きゅうり その理由もまだわかりません。
misa(p)・・カレーとかに入っている大きなたまねぎ、理由はわからない。
Q6:ちょっと人に自慢できる貴重な体験がありましたら。(お二人ともにお願いします。)
A6:saikou(vi)・・誘拐殺人の容疑者に間違えられ、テレビのニュースなどで、
重要参考人の行方を追っていると報じられていたらしい。
その時僕はインドに長旅をする為仕事をやめ、
寝袋もって長野あたりをぶらぶらしていた為、
一ヶ月ほど疑いが晴れませんでした。
misa(p)・・THISのヨーロッパ公演!これはなかなかできない体験かな?
クラシックの本場でピアノとバイオリンの自分たちの演奏がどうなのか・・・
やってみなきゃわからないものですね。いい経験となりました。
Q7:これまでのライブ活動で起こった最大のハプニングは?
A7:saikou(vi)・・バイオリンに使う弓というものがあるのですが、
間違えて壊れたものをもっていってしまい、
弓を張る事が出来ずにライブをしました。
いつも聴きにきてくれてるお客さんが、今日は風のような音がしましたと、
感想を聞かせてくれました。
misa(p)・・THIS本番前に相方がいない!
係りの人に「先に一人で出て!」と背中をおされ、ひとりピアノを弾き始めました。
しばらくすると、彼はなにくわぬ顔をして横でバイオリンを弾いてました。
あれは怖かった。。。
Q8:意地悪な質問をして申しわけありませんが、可能な限りお答えください。
もし、何気なく出かけたフリーマーケットに、
こともあろうかthisのCDを出品している愚か者がいたとします。
何と言って声を掛けますか?(お二人ともにお願いします。)
A8:saikou(vi)・・より多くの方が聞ける可能性があるわけですから。ok!と伝えます。
misa(p)・・声かけられないです。。。かなしい。。。
Q9:最後にカフェ・アドレナリン.にひと言。(お二人ともにお願いします。)
A9:saikou(vi)・・健康に気をつけのんびりやっていきましょう。
misa(p)・・お互い楽しんで続けていけるといいですね。
御協力有難うございました。
〜中津川での初ライブ〜
去る、2003年11月30日に当店/7周年記念ライブをおこなって頂いた。
当初「サンセットライブ」と称して、夕方4:30開場としたのだが、
あいにくの雨模様となり、窓の外の景色はなんとも言えぬダークな色調になった。
いちおうこの日は終日貸切としていたのだが、
予想以上に会場の設営が早くできたことと、
アドレナリン史上初となるアルバイトさん(里奈ちゃん/18歳)のおかげで
準備は着々と進み、pm1:00〜4:00までは一般のお客さんに開放し
ご利用いただくことになった。
pm2:00/thisが到着。
それまで午後のティータイムをまったりと楽しんでいたお客さんは、
次から次へと運び込まれる器材に、若干戸惑いながらも
じっと様子を伺っていた。
ぼんやりハニーティーを飲んでいたロシア人(風)女性もなにやらただならぬ雰囲気に
興味津々といった感じだ。
そして間もなくサウンドチェックが始まった。
新しくなったアドレナリンの店内に初めてひびく生楽器の音。
一番高いところの天井は、床から約9メートルもあり、
壁材には音をきれいに伝える修整材(パーチカルボード)を貼ったおかげで
思ったよりもクリアで、伸びのある音で鳴っていた。
欲を言えば、もうあと2メートル店内幅を広げれば
もっとワイドで迫力のあるサウンドになるのだが・・・。
まあ、ウチはライブハウスじゃないので、これでよしとしなくては。
pm4:30/リハーサルを聴き終えた(ラッキーな?)一般のお客さんはすべて退店され、
いよいよフォーマルな装いの(正式な?)お客さんが続々とクルマで乗りつける。
雨はあがったようだが、すでに一面グレーだった景色は、ブラックになる直前まで暮れていた。
そして、店内のオレンジ色のスポットライトのあるところだけが明るく、
その明かりだけを頼りに、お客さんは各自指定されたテーブルに着く。
ニュー・アドレナリンには、メインとなる照明は一切無く、
本当にテーブルの上に置かれたスタンドの明かりしかない。
幸いにして、周囲には外灯すら無いので、
夜は本当に真っ暗闇になる。
だからこそ味わえる、「スタンドだけの明かりのありがたみ」である。
そして、時より遠くを走るクルマのヘッドライトに目を追う。
「眠らない街」、に慣らされてしまった都会の人には、
さぞや新鮮に映る光景であろう。
いつの間にやら店内は、香水と、料理と、ワインと、煙草の匂いで充満しており、
それがイコール、ライブスタートOKの合図でもあった。
毎回、なんとか避けて通りたいと思う「私のオープニングMC」もそこそこに、
pm5:40/this宮島氏が奏でる怪しい民族楽器の怪しい調べにのせて、
カフェ・アドレナリン.7周年記念ライブはスタートした。
今回は今年(2003年)2月にリリースされた、「rA」というアルバムがメインに行われた。
中でも私が気に入ったのは、「Bye−Bye Soviet!」という曲。
いきなりドライブ感あふれるロシア民謡調のフレーズではじまる。
ピアノのmisaさんのか細い手から弾き出される、およそ不似合いで豪快なリズム、
そして、勇ましく弓を振りかざしながらヴァイオリンを弾き殴る、宮島氏!
悪しきソビエト時代に別れを告げ、
ふたたび開かれた自由への希望を取り戻すべく、
とてもポジティブで、パワフルな曲に思えた!
ついで「風の場所」という曲。
本当にこのようなタイプの曲は、アドリブだから成立する曲。
第一こういう曲を譜面に表すのは困難だし、
まして、そのとうり演奏したとしても何にも面白くない。
その時のイマジネーションが最優先されるからこそ価値がある。
この曲では宮島氏は「風」を演じ、misaさんは「背景」を演出したように思えた。
まさしくthisならではの名曲。
そして以外にも(?)、某アイドルグループ/S○○Pの「世界に一つだけの○」の
this風カバーを披露。
もともとは小学生のためのコンサートを行うにあたり、
主催者側から「小学生でもわかる曲も入れてください」とのオーダーで、
参考までに、といって渡されたのが「モーニング娘」と「某/S○○P」のCDであったという。
まったく専門外の楽曲に対し、かなり悩んだそうだが、
ひとまずこの曲をピックアップし演奏したところ、思ったよりも好印象だったこともあり、
(著作権の問題もあるのでトップシークレット扱いで)演奏してくれた。
それにしても、なんでも上手いこと料理しちゃうんだな〜っと思った。
1ステージ:40分×2回、約10曲を披露し、
(休憩時間を含む)トータル3時間半に及んだ今回のライブ。
お約束どおり、結局かなりの長丁場であり、お客さんも
しっかり飲んで、食べて、お喋りして、時刻はあっという間に9時をまわった。
ライブ終了後thisは自ら、あちこちのテーブルに出向き、
気軽にサインに応じ、なにやら楽しそうに談笑していた。
一方こちらも(スタッフも)、途切れることのない追加オーダーと
続々と運ばれてくる洗い物に四苦八苦しながらも、
ライブ直前にカミさんが作ったチョコレートケーキを全員に振舞ったり
ルヴァン・ドォルの天然酵母パンを販売したりと、
たった3人のスタッフで、31名のお客さんのお相手は、
エンジンブロー寸前の様相であったが、なんとかかんとか乗り切った。
普段アルコールを出さない当店も、
この日ばかりはイタリアワインとバドワイザーが乱れ飛んだ。
言うまでもなく、帰りの運転手はシラフの方がハンドルを握り、
満車であった駐車場から一台、また一台と家路へ向かっていった。
多くのお客さんに親しまれ、7周年を祝ったアドレナリン。
とくに今年は「激動の一年」と言っていいくらい、めまぐるしく環境が変わった年。
それでもアドレナリンらしさを忘れず、
きっちり移転をし、
昔を知ってるお客さん、
昔を知らないお客さん、
ともに喜んで頂ける店を維持し続け、
いつもと変わらぬコーヒーと
リラックスした時間を提供できたことを幸運に思う。
ライブの翌日、ここ1週間ほど痛めていた左肩がピークに達し、
お客さんの引いた夕方、客席でぼんやりしていたら
目の前にこんな景色が広がっていました。
自然ってすごい。