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web Cafe Adrenaline vol.9


■取材は楽しい?■

今月のカフェ・アドレナリン・は、2つの雑誌に紹介されている。ひとつはナゴヤマガジン・発行のクルマ雑誌「LEFT」。あとひとつは(株)ゲイン・発行の月刊「ケリー・12月号」である。まあ、2つとも名古屋に住んでいれば誰でも知っているメジャーな雑誌だ。だから書店などで御覧になられることもあると思うので、あらかじめ(一生懸命!)断っておきたい!2社とも紹介記事の内容の50%くらいは、「おや?」と思われる節がある!誤解しないでほしいのだが、それによって私が不愉快に感じいるということではない。原稿だって事前にチェックさせてもらっているから今さら文句を言うつもりもない。それどころか、逆に紹介して頂いてありがとうございますという気持ちだ。

ただ、雑誌の取材というのは、基本的に店のオーナーの気持ちや意向を正確に伝えることより、記者の方がそこでどんなふうに感じたか、何を伝えたいと思ったか、が記事のメインとなる。だから、クチが酸っぱくなるくらい「ウチは比較的落着いたお客さんが多いですよー!」、と言ったにも関わらず、「真っ赤なベック550スパイダーはお店の看板的存在!シビれるー!」という表現で紹介されてしまう!(笑) まー別にいーんだけどね・・。こっちとしては、ちょっとアンタ、違うだろ〜って感じだけど、記者の方はシビれたのだから仕方ない。それがいやならちゃんと広告料を払って、ほんとに言いたいことを載せてみたら?ということになる。根も葉もないことを書かれたら文句も言えるけど、これくらいのことなら笑ってしまったほうが賢い。

2000年10月1日/カフェ・アドレナリン・水野雄一


みんな〜ホント、ありがとね〜!

Cafe Adrenaline 4周年記念

SINCE 1996・10・20


いや〜ホントにあっという間の4年間でしたね〜。夢は叶った瞬間から、ずーんと重たい現実も連れて来ますからね〜。もちろん、ある程度やれる自信があったから独立したんだけど、いざやってみると、そりゃもー大変だ!正直な話、納得のいく営業スタイルにもっていくまでに3年はかかった。夫婦でやっている以上、いろんな意味で助かることもあるけど、難しいことも結構ある。共に店に対しての思い入れが強いぶん、幾度となく意見が衝突した。疲れて帰ってきて、いや〜おつかれさん〜、って、ビール飲んで、今日あったことなんかを話してて、なにげない一言がとんでもない論争に発展するなんて日常茶飯事だった。まあ、そーやって、いろんなアイデアが生まれたり、いいサービスが出来たりして、店は成長していくんだけどね。

オープン当初、アドレナリンのホットコーヒーは350円だった。そのころコメダは320円、近所の喫茶店の相場は280円くらい。この値段設定に、当時の私の考えがよく現れていると思う。とりあえず周りの様子を伺いながら・・・という感じだった。しかしそのあとすぐに消費税が5%になり、お客さんからは「もっと深夜までやってほしい!」という声が寄せられた。実際、350円のコーヒーに消費税5%をかけるのも、なんだかセコイ気がして嫌だったし、深夜営業なのに350円というのも納得いかなかった。それじゃチャージでも頂くか?いやいや、それではカフェの良さが台無しだ!気軽に利用してくださいなんて言って置きながらチャージを取るとは何事だ!だったら思い切って、コーヒー500円のほうが男らしいじゃないか!よーし、500円だ!500円ポッキリ!男は黙って500円!、その代わり夕方6時から深夜2時までやるぞ!だったら文句は無かろう!

こうして現在の営業時間と、コーヒーの値段が決定した。今から約2年位前の話だ。

規模の大小に関わらず、店の成長なんてなんて、お客さんとの対話なしにはありえない!最初から優れた経営者なんていないと思う!お客さんから寄せられたリクエストをいかに聞きとることができるか、そこがポイントだと思う!単なる客のわがままと一蹴してしまえばそれまでだし、成功への近道だと思って努力すれば決して悪い方向へは行かないと思う。この4年間、そんなことをたくさんのお客さんに教えられてきた。さて、それではこのカフェ・アドレナリン・は、いったいどんな進歩を遂げてきたのだろうか。はたして進歩したと言えるのだろうか。

ここまで育てていただいた感謝の意味を込め、私の馬鹿な解説付きでこれまでの軌跡を辿ってみたい!よろしく!



▲あれほど夢と希望に満ち溢れいた独立話も、いったん物件が決まってしまえば、
あとはひたすら、金!金!金!の世界に突入する!すべてが金がらみの話だ!嫌だね〜

上の書類は、国民金融公庫の融資を受けるために下書きしたものの一部。
その必要経費、約1000万円也!ひえ〜!(ま、飲食店としては平均的な金額だけどね)

私の場合、自己資金があまり無かったんで、結構たくさん借りる必要がありました。


▲当初は、「いわゆる街のきっちゃ店」系のメニューも考えたが、途中でイヤになってやめた。
上のスケッチはその時のもの。どうやら、なんでもかんでも600円でやろうとしていたらしい。
やっぱ最初から妥協はしちゃいかん!と思い、本当にやりたいようにやることにした!
(うん、それで良かったと思う!)





▲そして全てはこの一枚のハガキからスタートした!

今でも覚えているけど、この時に面接があってさ、スーツにネクタイ締めてさ、
「私のやりたい店は、こんな感じで、こんなメニューで、こうやって儲かる予定でして、お借りしたいお金はこれこれしかじかで、
必ずや期限内に全額返済できますので、是非とも将来有望の私に金を貸してください!」って、お願いしてきた!
ちょっと、過剰なくらいアピールしてきた!とにかく、すげー店が出来るんだぜ!って言ってきた!
実績ゼロの人間が認めてもらうためには、強烈なインパクトと、意気込みだけが勝負!
全部ハッタリじゃマズイけど、相手にそれくらい勢いを感じさせないと、せっかくの商売理論もぼやけてしまう!

そしたら一応、審査に合格したらしく、「じゃ、あんたの口座に振り込む準備をするからさ、よろしく!」と、いう内容のハガキである。
めちゃくちゃ嬉しかったなあ。なんだかんだ言っても、当時はそんなに自信なかったからさ。当たり前だけど・・。





▲そしてようやく自分の口座に入金され、すかさず工事代金の50%を建築業者に前払いし、やっと工事着工!
本当は看板もこのまま使ってやろうかと思ったが、さすがにヤメた。(でもちょっと後悔している)(←アホか)





▲半地下のスペースを作るため、50センチ掘った!

実はのちに、この穴がカフェ・アドレナリン・を苦しめ、またカフェ・アドレナリン・を救うことになる!





▲最初はこんなにがら〜んとしていた!

なんでベックが写っているかと言うと、ベックの入るスペースは床下補強をしないといけないらしく、
実際の寸法を測るために持ってきた次第。
その甲斐あって4年経った今でも、どこもソルことなくシッカリとしている。





▲じゃ〜ん!カナダからの木材・到着!

この時、今にも降り出しそうな怪しい天気だったので、「私も手伝います!」と言って、降ろすのを手伝った。
まあ、そこまでは良かったのだが、50過ぎの大工のおっちゃんは軽く2・3本まとめてかつぐのに対し、
私は1本でもふらふら状態!6メーター以上の材木をかつぐにはパワーは勿論のこと、バランス命だった!
最後には「無理しなくていーよー!」と笑われてしまった!くそ〜!





▲いよいよ本格的に工事開始!

とっても、けだるいAMラジオ・「奥様テレフォン相談室」がかかる中、大工のおっちゃん達は真剣な表情で
作業を進めていく。まさに男の職場!私といえば、ただただ邪魔にならないように遠くの方から写真を撮るのみである。





▲順調!順調!

毎日、少しづつ、夢がかたちになっていく。





▲おおっ!階段が出来た!のののっ、昇ってもいいっすか!(いいっすよ〜/大工のおっちゃん)





▲おおっ!壁が出来た!のののっ、昇ってもいいっすか!(できるもんならね〜/大工のおっちゃん)





▲じつは、この手すりの部分、どんなデザインにしようか最後の最後まで悩んだ!

で、さんざん悩んだ挙句、写真のような普通の手すりに決まった。やっぱ、シンプル・イズ・ベスト!だね。





▲2階からの眺めはこんな感じ





▲完成度、90%といったところ。

そしてこの日、大工さんの仕事は終了する。
なんのトラブルも無く、みなさん本当にお疲れ様でした!





▲随分とそれらしくなってきた。後はペンキを塗って、機材を入れれば完成だ!





▲照明もついた!





▲ガラス屋さんの到着が少し遅れたね!ま、いいけどさ。

だからみんなドアを開けずに、そのまま出入りしてた。
中にはさ、この方が楽でいいじゃん!って、わけのわからないことを言う人もいてさ。
おいおい、お前なぁ〜って感じ。





▲このとき私は何を考えていたのだろう。(たぶん何も考えていないはず・・)

かなり睡眠不足も続いていたし、オープン前の独特な緊張感もあって、今より5キロ以上は痩せていた。
こんないいかげんな私でも、ひとつ事業を起すとなれば、それなりに神経を使っていたようである。ははは。





▲さーて、ようやくここまで辿り着いたぞ!

じつはこの前日、「カフェ・アドレナリン・オープン前夜祭」ということで、
ごく親しい方だけを集めてのレセプション・パーティーが行われた。
クルマで言えば、ナラシ運転みたいなものだ。

これをやっておくと随分スムーズにオープン出来るんだよね。
いきなりぶっつけ本番じゃ、いい仕事できないからね。(もちろん招待者は全員タダ)





1996年10月20日・AM11:00・快晴!

カフェ・アドレナリン・オープン!

暑くもなく、寒くもなく、雲ひとつなく、なんともすがすがしい日であった!
あえて、これといった広報活動はせず、のんびりとしたスタートを切るつもりでいた。
ここまで来たからには、べつに慌てる必要はない。
自分達の実力を100%発揮できれば、それがベストだと!

しかし、嬉しい誤算でオープン早々多くのお客さんに来て頂き、ちょっとてんてこ舞い!
まだ、木とペンキの香りが入り混じった店内で、慌ただしく働いた初日は、とにかく疲れた!

たしかオープン3日間は、自家製クッキーをお客さん全員にプレゼントしたっけ。
まーしかし、いろんな方に力を貸していただき、無理なお願いもしたりして、なんとかオープンできたことに感謝!

それに尽きる!





▲オープン後・1ヶ月くらいの風景。

うーん、床、ピッカピカ・・・。おっ、この頃はまだ本棚がない!
こーやって見るとさ、けっこう普通の喫茶店みたいだよねぇ。





▲がーん!例の掘った部分から水漏れ発生!(これは大問題!)

とりあえず施工業者に文句を言ってみたが、こればっかりはどーすることも出来ないと言われてしまった。
実際、はじめにここを掘る時、「ひょっとしたら水が出るかも知れないよ・・」という話はあった。
で、もし完璧に防水したいのなら、それ相当の金額はかかるよ、と言われた。

つまり掘った部分に、スッポリはまるFRP製のバスタブを作って、
その上に床を張る。そうすれば、まず大丈夫だと。
ざっと見積って100万円くらいはかかる!
けど、FRPも年数経過によって割れたりする可能性があるから、
それも永久とは言いがたい、と設計士さんの弁。(さあ、どーする!)

で結局、その時は「転ばぬ先の100万円」を払うだけの余裕が無かったため、
出たら出た時だ!という結論に達した。よって、
軽い防水措置をするにとどまり、あとは大雨が降るたびに、御祈りをするしかなかった。
そしてオープンから1年後、運悪く、その「出たら出た時」、に遭遇してしまう!雨水が湧き出したのだ!

はじめのうちは、それ程でもなかった水の量も、時が経つにつれてその湧き出し具合は豪快になっていった。
水路が出来始めたからだ!雨が降れば降るほど、水路は太くなっていく!
だから、ちょっと降るとダーっ、ちょっと降るとダーっ、の繰り返し。(すごいショック!)
そのたびに、そこの2テーブル(8席)は使用できなくなり、いささか売上げにも影響し始めてきた。

そんな状態が1年以上続いた。
正直、この能天気な私でもかなり落ち込んだ。
ロフトを作るため、そしてその天井高を稼ぐため、苦肉の策・危険を覚悟で床下50センチを掘った。
でもそれは、はっきりと裏目に出た!くやしいけど、これも自分の考えが甘かったとしかいいようが無い。

ここらで大きく考え方を変える必要があった。
これではまともな営業ができないし、だいいち、お客さんに申し訳ない!
だからかなりの出費を覚悟で、防水の修繕をすることにした。
その模様が下の写真である。




なるべく安く、それでいて確実な!そんな私のわがままな注文を聞いてくれたのが、
近所でリフォーム業を営む「リバース・コバヤシ」さんである。(TEL・0120−30−7717)

小林さん曰く、「完全に防水するよりも、出た水を、いかに確実に排水するか」、そう考えた方が賢いよ!
それくらい完全防水というのは金もかかるし、高度な技術を必要とするらしい。
という訳で、写真のように一端ベンチシートなどを全部取り去り、掘った部分の周りに水路を作る。
そして、階段の下あたりに貯水タンクを作り、湧き出た水がすべてそのタンクに流れるようにする。
あとは定期的にその水をウォーターポンプで店外に排水するというしくみ。
ま、基本的には地下街なんかと同じ理屈である。もちろん、その上に床を張る。

ただこのシステムの欠点は定期的に人間がウォーターポンプで排水してやらないと、また溢れ出てしまうという点である。
ま、少ない予算ゆえ、これでも上等である。(とはいえ、総額40万円の修理だったけど・・)





◆うおーっ!なんと、ネコ乱入!



▲秋も深まったある日、閉店後、片付けをしていたら
「外は寒いにゃ〜」といって入ってきた!





雪が降った!



1998年は、とにかくよく降った。

雪が降る夜のカフェ・アドレナリン・はカッコいいっすよ!マスターお薦めです!
普段あまりかけないヘレン・メリルなんかかけちゃうと、なんかこう、ぐーっと、きますね。
あまりにも外の景色とピッタリし過ぎて、映画のワンシーンみたいで泣きそうになっちゃいますね。





▲じゃーん!これでも四駆だ!ポルシェの四駆だ!
その名も、「ポルシェ959」!

ツインターボで450馬力!あまりにもパワーが出てしまったんで四駆にしちゃいましたという恐ろしいクルマだ!
バブル期には1億円だ、2億円だと言われてたけど、今じゃ2000万円くらいにおちついた様子。
パリダカにも、ル・マンにも出場しました!ま、成績は今ひとつだったけどね〜。





▲なんじゃこりゃー!という感じのクルマ!恐ろしくぺッタンコ!車高はわずか1メートル!

1960年代、巨大自動車メーカー・アメリカ・フォードが、
当時めちゃくちゃ貧乏だったイタリア・フェラーリ社を買収しようとしたがそれに失敗!
「だったら、いいさ!覚えとけよ!エンツォの頑固オヤジ!」と言って、アメリカ・フォードが、
打倒フェラーリのために作ったマシーンが「フォードGT40」。そういえばなんとなくフェラーリチックかも・・・

で、そのレプリカが上の写真の「フォードGTD40」。平たく言えば私のベック550スパイダーと同じ仲間ですな。





▲おやまあ!これは、オースチン・ヒーレー・スプライト!通称・カニ目くん!
駐車場のオイル染みの70%以上は、これらイギリス車がマーキングしていったもの!
純粋な喫茶店で、こんなにオイルの垂れた店もそうはない・・・
ま、そんなに気にしてないけど。
いやホントに。

ホント、ホント。

たぶんホント。





▲日頃、肩身の狭い思いをしているベック・オーナーにとっても、
アドレナリンは最大に理解ある店として存在する!
変な話、言葉なんて要らない!それくらい強い絆で結ばれているような気がする!
ブラジル人が一生懸命作ってくれたベックは、残念ながら1台1台、仕様が違う。
あるものが無かったり、無いものがあったり。
いい歳こいた大人が、300万円も払って買ってさ、うわ〜俺のハズレ〜!とか、
よかった〜俺のアタリ〜!という馬鹿なことで盛り上がっている。
世界一のエンターテイナー国民・アメリカ人が考え、職人民族・ドイツ人が作った部品を使って、
サンバの国・ブラジル人が組み立て、儲かってまっか・ぼちぼちでんねんの大阪人が輸入する。

ごくまれに、お客さんの中でベックが欲しい!という奇特な相談を受けることがある。
そしてそのほとんどが、20代の若い人だ。もう、買うぞおおお!っていう人にはあえて何も言わないけど、
どうしようか迷っている人には、「とりあえずヤメといたほうがいいぞ馬鹿野郎」と言うことにしている。

というもの実際、「若年層ベック購入者の所有期間」というのは恐ろしく短いからだ。
ま、良くも、悪くも、ベックには、一目惚れを誘うだけのカッコよさがある。
いかにもスポーツカー!という感じがするしね、それにそんなに高額でもないし。
だから、ポーンと買っちゃって、スーっと冷めて、ポーンと売っちゃう!
これを我々は、「短命ベックの3段活用」と呼んでいる。
「あーあー、○○くんは、ポン・スー・ポンだったね〜」、と、こんな感じで使っている。

せっかく買ったんだから長いこと乗って欲しいと思うけど、
じつは短命に終わってしまう理由もよく分かる。
だって実際のベックは、見た目ほどスポーツ性能は高くないし、
釈迦力になって飛ばすようなクルマでもない。

ユーノス・ロードスターを2とするなら、ベックは30くらい壊れる。
買った後もそれなりに金がかかる。
さらに、お世辞にも販売店のサービス体制が整っているとは言いがたく、
仮に修理代金が調達できたとしても、満足いくメンテナンスを
してもらえるラッキーなユーザーはごく一部だ。つまり比較的、不動の時間も長い。

それならば!ビートル・パーツで組んであるんだから、ビートルショップに行けばいいじゃないかと
思われる方もいるだろうが、残念ながらビートルショップは露骨に嫌がられる。(理由は不明・・・)
ならば!ということで、俺が自分でやってやるぜ!と思ってくれれば大したものなのだが、
「まいったな〜どこか直してくれるところないかな〜」と思ってしまう人は、
そのうちシビレを切らす・・・。これぞ、まさしく、ポン・スー・ポンである!

結局は保管場所も、屋根付きガレージじゃないとツライわけだし、
足クルマもべつに用意しておかなければならない。
ベックで全部をまかなおうと思ったら絶対無理!
現役モデルのお姉さんに、炊事に洗濯、出産に育児、
それが終わったらパートに行って月・8万でも稼いで来い!
そんでもって、俺より先に寝てはいけない!俺より後に起きてもいけない!
メシは上手く作れ!いつも綺麗でいろ!と言っているようなもの!
そんな関白宣言なオーナーもいるのだが、しょせん長続きはしない。

我々はそんな人のことを、「さどまさし」、と呼ぶことにしている。

まあ、だいたい購入後・1年くらいで、50%以上の人がこのような憂鬱な壁にブチあたることになる。

楽しい想い出も与えてくれるが、そればかりではない。

なんだかネガティブなことばかり言ってしまったけど、
ぶっちゃけた話、それくらい覚悟してもらって丁度いいくらいだと思っている。
いたずらに怖がらせるつもりはないが、嘘までついでベック仲間を増やしたいとは思っていない。

だから本気で購入を迷っている人には、包み隠さず、ありのままを伝える。

金銭的にも、精神的にも、つらいことが多いクルマだからヤメておいたほうがいい、と。
どーせ、300万円使うなら、もっとマシな使い方がいくらでもあるはずだ、と。

無論、こんな話は販売店なんかでは絶対に教えてくれない。

それでも欲しい!と思われる方は是非とも購入すべきだ!

(誰が買うねん!)










▲1998年1月、あまりにも増えつづけるカーグラフィックや、カーマガジンを収納すべく、
30万円近くかけて本棚を作った。今では当店のエンスー達の参考資料として活躍している。





▲1999年4月28日、定休日を利用して、岐阜県瑞浪市にある「YZサーキット」に出張営業を行う。
といっても、機材が限られているため、こっちでカレーを仕込んでおいて、
現地にカセットコンロを持ち込み、温め直して出すという簡単なもの。
ライスはこっちで炊いて、一人前づつラップして、電子レンジでチン!
初の「カレー・アドレナリン」は大好評だった。
なんやかんやで50人前くらいは出た。

左でカレー鍋を掻き回してくれているのは、応援に来てくれた義理の姉。





▲1999年5月31日・月曜日。ベックで走る!スキあらば走りに行く!しかも、YZサーキットまで!

平日は、夕方6時からの営業をいいことに、こんなところまで遊びに来ていた!





▲2000年を迎えたカフェ・アドレナリン・!
この年から、当店ホームページ・「web Cafe Adrenaline」がスタート!

パソコン買ったはいいけど、本当に使えるのだろうか?
そんな不安もあったが、出家信者のごとく献身的に指導してくれたお客さんたちのおかげで、
めきめきとローテクなホームページが出来上がった!

なんだか4年前と比べると木の色も、いい具合に色あせてきた感じがして妙に落着ける。
この「いい具合に色あせる」ということは意外とむつかしいことだと思う。
ジーパンと一緒で、ただ単に、年数が経てばいいというものでもなく、店主の愛情はもちろんのこと、
利用して頂くお客さんによってもすごく左右される。当店の内装のほとんどは木であるから、
乱雑に扱えば痛むのも早い。テーブルにあいあい傘でも掘ろうと思えば掘れるし、
タバコのこげ跡があったって不思議じゃない。(もちろん無いに越したことはないのだが。)
やはり常連客が8割以上を占めるアドレナリンだからこそ、お客さんひとりひとりの意識の中に
「この店を大切にしてやろう!」という気持ちがあったからこそ、いい具合に色あせることが出来たんだと思う。

何から何まで、お客様、様々である。















そして!恐怖の2000年9月11日
午後7時30分、豪雨のため
カフェ・アドレナリン・営業中止!



まさか、こんなことになるとは誰も予想していなかったと思う。

いつもよりちょっと激しい雨かな〜くらいにしか思っていなかった。
ところが、午後6時半ごろから一段と激しくなり、そのままの勢いでしばらく降り続いた。

その時、カフェ・アドレナリン・には1組のカップルが食事をしていた。
楽しそうに会話がはずんでいるようだった。
外は土砂降りでも、店内はいつもの雰囲気を保ったまま営業を続けた。
しかし、雨足はひどくなるいっぽうだ。午後7時、いよいよ表の道路が川みたいになってきた。
ここらへんで止んでくれないと危険だなぁ。雨音の方が店内のBGMよりも明らかに大きい。
徐々にではあるが、いつもの大雨とはケタがちがうぞ、そんなふうに思えてきた。

そして例の階段下の貯水タンクを覗いてみた。

すると!タンクはすでに満水になっているではないか!
なんて速さだ!今にも溢れ出しそうな勢いだ!
あわててポンプで排水作業にかかる!
お客さんもそんな光景を見るのは初めてらしく、「大丈夫ですかぁ?」と不安げに覗き込む。

しかし、こんな非常事態にどんな対応をしてよいもんやら・・・。返答に困る。

以前、勤めていた店のむかえが火事になったことがあった。
その時も、パニック状態になる店内を落着かせるのに大変だった。
幸いにも、店の前の道路が広かったため、避難するまでもない距離。
それどころか、へたに出て行って、二次災害に巻きこまれてもいけない。
だから、店内にいたほうが安全と判断し、お客さんに落着いてもらうよう説明した。

しかし、消防車や救急車がサイレンを鳴らしてやってくると、お客さんは一瞬にして冷静さをなくす。
女性客の中には泣き出す方もいた。「もう、帰りたい!」と泣きわめく異様な店内。

その時は、すぐに消火活動がなされ、1時間ほどで通常の営業が再開できた。

が、今回のこのケースは、どうすればいいのだろう。
一瞬、その時のことを思い出してしまった。

このままでいけば、あと30分以内に何らかのかたちで答えは出るだろう。
このまま営業を続けるのか、それともお客さんに避難命令を出すか・・・。




そして午後7時半、ついに厨房の下水が溢れ出した!
この時点でカフェ・アドレナリン・の営業中止が決定!

すぐさま、お客さんに閉店することを伝えた。
その時、外の水位は足のすね位のところまできていた。
あわてて会計をし、「気をつけてお帰りください!」と送り出すと、
ぴかぴかのゴルフワゴンは川の中をざぶざぶ走っていった。

すると、こんな非常事態にもかかわらず隣の居酒屋から出てきたお客が、
「ね、ここはまだやってる?」と聞いてきた。
「隣がさぁ、停電しちゃってもうダメみたいでさ、ここで飲み直したんだけど・・」

結構べろんべろんに酔っ払っているらしく、事態の状況を把握できていない様子だ。

「悪いけどウチも、浸水が始まっちゃって今日はもう閉店なんですよ!」、そう言うと、
そーかい、そーかい、と言ってまた川の中をざぶざぶ歩いてどこかへ行ってしまった。

やれやれと思い、店の中に戻ると、なな、なんと!
早くも冷蔵庫や製氷機が水に浸かりそうになっているではないか!

ヤバイ!

一機・数十万円もする
冷蔵庫たちが死んでしまっては、
まじでヤバイ!

なんとかして救出しなければ!

しかし、
これを不幸中の幸いと言うべきか、
我々はこれまでに何度となく
似たような経験をしていたため、
「出た水は全てかき出す!」
「かき出せるものは最後まで、
あきらめず、かき出す!」
という、考えがあった。無論、
生命の危険をおかしてまで
頑張る必要はないが、
被害を最小限に食い止める為、
できる範囲で、可能な限り、
出た水は全てかき出す!
これしかなかった!




それでは、どうやってかき出すのか。
いろんな方法があると思うが、当店ではこのように行った。

■まず、じわじわ〜っと湧き出る感じの初期段階!■

なにかと便利な「牛乳パック」、この牛乳パックの注ぎ口の部分(三角に折れ曲がった部分)、
ここをハサミで切り取り、四角い大きな口を作る。たったこれだけ。
あとは、水面に平行にスライドさせるようにすくえばいい。
そして集めた水はバケツでも、ごみ箱でも、なんでもいい、
とにかくそこへ、じゃんじゃんくみ取り、それが満タンになったら外へ流しに行く。



しかし、本格的に水が進入し始めたら、さすがに牛乳パックだけでは追いつかない。
上のイラストもなんだか頼りないものに感じられる。そこで、
■水深3センチ以上になった時の対処法!■
ズバリその時は、お風呂の残り湯を洗濯機に移すウォーターポンプを使う!

これは効果的!とくに一軒家に住んでいる人や、マンションの1階に住んでいる人、
ホームセンターで2000円やそこらで手に入るので一家に一台、常備すべきだ!
いや、もっと言うなら、2つくらいあった方が安心だろう。
なぜなら今回の東海豪雨みたいに長時間・大量の雨が降った場合、
ポンプの連続使用時間は、軽く3時間・4時間を超えてしまうからだ。
機種によっても異なるが、普通、取り説には連続使用・1時間以内とある。
実際、今回のアドレナリンも4時間以上は使ってしまった。
すると、ポンプを動かしているモーターが信じられないくらい加熱する。
とてもじゃないが、素手で触状態じゃない!
もし、ここでモーターが焼け付き、排水作業が不可能となったとしたら・・・
残酷な話だが、水没するのを見守るしかない。

そーならない為にもスペアのポンプを用意しておいた方がいい!

いぜれにせよ大事なのは、この間、あまりクヨクヨ考えないこと!

のんびりしてちゃいけないけど、カラ元気でもいいから最後まで諦めず、
被害を最小限にとどめる気持ちを持ちつづけること!
なかなか難しいことだとは思うけど、結局、パニックになったらアウトだ。
助けられるものも助けられなくなってしまう。

それだけは避けたい!



こうしてあと数センチのところで、フローリングの床に浸水しそうになったが、
間一髪、なんとか食い止めることが出来た!

当店は、以上2つの方法で、なんとか今回の東海豪雨を乗り切った!

一時は、道路の水位と、店の入口が同じ高さになり、雨水が容赦なく浸入してきた!
そのあまりの激しさに、入口のシャッターを閉めざるを得なかった。
だが今度は、通行するクルマがひき起す波がシャッターを思いきり蹴飛ばす!
長時間に及ぶ排水作業で、ただでさえ疲れきっているにもかかわらず、
外のシャッターは「ガシャーン!ガシャーン!」とやかましい。
本当に気が狂いそうになった。

そしてその時、初めて思った。これは立派な災害だと・・・




2000年9月11日・午後7時30分に浸水が始まったカフェ・アドレナリン・。

必死の排水作業は徹夜で続けられ、気が付いてみれば、なんと!

翌、12日の午前5時になっていた!そして白々と悪夢の夜が明けようとしていた。

まさしく無我夢中の9時間半であった!

結果、私たち夫婦は、長時間の排水作業による強烈な腰痛と、睡眠不足、
というダメージとを引き換えに、カフェ・アドレナリン・を守ることが出来た。

こんなこと言っては何だが、たったこれくらいで済んで良かったと思う。

西枇杷島や野並の人たちのことを思えば、これしきのことで我々は被災者です
なんてとてもじゃないけど言えない。

この先、まだまだ深刻な問題が出てくるとは思うが、
出来る限り、当店も救援に参加していきたいと思う。




なんだか、この4年間を5速全開で振り返った気がするけど、皆さんはどんな感想を持たれたでしょうか。

実際、我々もアドレナリンやってて、5速全開時間が非常に多かったと思うし、いろんな意味でリミッター当たりっぱなしだった。あやうくブローしそうになったこともあるけど、そこは皆さんのおかげでなんとか回避できたように思う。本来、自分達が生きていくため、食っていくための手段として独立したんだけど、4年経った今、そんな勝手なこと言ってられないくらい、多くのお客さんにアテにされるようになった。今じゃ、どっちがどーなのか分からないくらいの忙しさで毎日を送っている。とても有り難いことだ。

月並みな言い方だけど、これから先も多くのお客さんと一緒に歳をとっていけたらいいなあ、と思っている。




そして、正直いって今、じつは、(関係ないけど)、めちゃくちゃ眠たい・・・。(おいおい)

今月は、本当にいろんな事件があって、ホームページ作成の時間がどんどん削られ、なんとか予告通り10月1日に間に合わせようと、頑張ったもんだからもー眠たい眠たい!

でもさ、なんとか出来たからホッとしているところ。


そんなわけで、今回はめずらしく、写真をばんばん乗っけた内容でした!

なになに?文章にあまりチカラが入っていないって?

たしかに!

俺もそう思う!

それじゃ!








おやすみさな〜い/水野でした。







えーと、それじゃ、眠たいけど、来月の予告もしておきます!(←余計なこと言わんでもよろしい!)

■次回の予告■




■心に染みる、ジャズボーカル特集■
乞うご期待!
2000年11月1日・たぶん更新!



御意見、ご感想、こんなテーマを取り上げて欲しい!など、ありましたら御気軽にメールして下さい。





■制作■
■Cafe Adrenaline■



END


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